本記事の問題解決

・ストリングってどんなものがあるの?
・ストリングの種類が多すぎて、どう選べばいいか分からない。
こんな疑問にお答えします。
本記事の信頼性
19歳からテニスコーチをはじめ、デ杯[男子国別対抗戦]直前に実施される男子日本代表合宿に、過去数度参加経験のあるコーチから学んだスキルや技術を生かし、数多くのレッスンを担当経験。
担当していたお客様がラケットを変えただけで、大きな成長を遂げた経験から道具の知識を取得するため、25歳からテニス専門店で道具を学び、一人一人お客様に合った商品を提供。
[コーチ・専門店接客経験12年間]
はじめに
「より良いテニスライフとは」
・『テニスが楽しいと思う』→上達する、素敵な仲間ができる
・『健康』→怪我をしない、病気をしない
・『自分で選ぶ』→プレイスタイルの確立、テニスを知る、いいストリンガーや販売員と出会う
この三つの要素が大事だと思っております。
これを踏まえた上でストリングの正しい選び方を進めていきます!!
ストリングの正しい選び方はラケット選びと同じように
正しい知識の上で
『気になるストリングを試して、使用して欲しい!!』
それが良ければ継続し、悪ければ違うものへ。
とはいえ、
初心者、ジュニアの方に『ポリ系のガット』は提供できませんし、それぞれに特徴があることをまず知り『正しい知識の上で判断していただくこと』がとても大事です。
それぞれのストリング商品には
・飛びがいい。
・打球感が良い。
・スピン性が良い。
など、特徴が書かれています。
ですが、それぞれのプレイスタイルにより受ける感覚というものは、全て一致しません。
人の感覚というのは本当に細かく言えば、一人ひとり違い、70億通りの感じ方があると言ってもいいのではないでしょうか。
だからこそ、結局は『ご自身の判断で決めていく』
これが理想です!!
より良いテニスでいえば、人におすすめされたものより『自分で決めたモノ』を選んだ方が楽しいに決まってます。
全くの初心者であっても、コーチや専門店員スタッフとコミニュケーションをしっかりとるなどして、ストリングを知り、ある程度の枠から、ラケットをしっかり選び、ストリングもしっかり選ぶ。
こうして、ご自身で決めていくことが理想だと思います。
そこが楽しい楽しいテニスの始まりなのではないでしょうか。だからこそ、ネットの情報は正しくあるべきだとも思います。
何も知らずに、ただ、おすすめはどれですか?と聞いて
決めるのは、その後に正しくないストリングやラケットを選んでしまう可能性も高くなると思います。
だからこそ、そこには必ず『正しい知識』が必要になります。
『知る』=『より良いテニスライフ』=『テニスがより楽しい』
ストリングの特性
ストリングは
『伸縮性』
を持って機能を成します。
その伸縮性が失われてる(伸びきる)状態でプレイすることはよくありません。
※『伸縮性=テンション維持性』
素材は、大きく分けて、『シンセティックストリング』と『ナチュラルストリング』の2種類に分けることができます。
『シンセティックストリング』は
『ナイロン系』と『ポリ系』があります。
ナイロン系は
・『モノフィラメント』
・『マルチフィラメント』の2種類があります。
ポリ系は
・ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレンなどの総称です。
シンセティックストリング
〜ナイロン系〜
マルチフィラメントストリング
凄く細い糸を数百~数千本束ねた構造。
『メリット』
・ホールド性が高い
・打球感が良い
・振動吸収性が高い(体に負担がかかりにくい)
・伸縮性が高い(テンション維持率が良い)
『デメリット』
・耐久性が低い
・インパクトでボールを包み込むような、ホールド性。
・ゆっくりした小さめのスイング(非力な方)でも飛んでくれる。
・接触時間が長く、タッチで打球をコントロールするプレーヤーに向いている。
代表的なストリング ・NXT(ウィルソン)・Xcel(バボラ )・T8(トアルソン)・TECGUT (GOSEN)
モノフィラメントストリング
太い芯糸に細い側糸を巻きつけた構造。
『メリット』
・打感が良い(シャープな打球感)
・反発性が高い(弾きが良い)
・コストパフォーマンスが良い
・伸縮性が高い(テンション維持率が良い)
『デメリット』
・安値のものは性能が落ちてしまう。
・反発力があり、弾きが良い。
・打球感はしっかりめ。
・比較的、安価なものから高価で高品質のものまで様々な『ニーズ』に応えることができる。
代表的なストリング
・ASTERISTA(トアルソン)・パワジー (バボラ)・ミクロスーパー(ゴーセン)DYNAWIRE(ヨネックス)
ポリ系
ポリ系ストリング
(ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレンなどの総称)
『メリット』
・耐久性が良い
・水に強い
・製造構成を変え、断面多角形にして角を立てスピン性能を上げるなど、加工ができる。
『デメリット』
・伸縮性が低い(テンション維持率が低い)
・打球感は硬い。
・打球時の衝撃が強い。
・体への負担が大きい。
・ボールを潰して打たなければいけないので、スイングスピードがある方にしかおすすめできません。
・水には強く、試合などで多少の雨でも使用しなければいけない場合がある方は、一つ用意しておくということも考えの一つです。
※他のガットのテンションとは異なるもの(テンション基準で説明)になるので注意しましょう。
代表的なストリング ・ALU POWER ・ 4G(ルキシロン)・RPM BLAST(バボラ )・レンコン・デビルスピン (トアルソン)・G-TOUR1(GOSEN)・ブラックコード(テクニファイバー)
ナチュラルストリング
ナチュラルストリング
天然素材で作ったガット
『メリット』
・ホールド感が高い
・高反発
・振動吸収が良い
・伸縮性が高い(テンション維持率が良い)
『 デメリット』
・雨など湿気に弱い(乾燥に弱い)・コストパフォーマンスが悪い
・切れやすく不均一(素材の宿命)
・反発性、打球感、伸縮性(テンション維持)、振動吸収性と性能部分全てに置いて能力の高いガットなので、ほぼ全ての方におすすめできるガットになります。
・水分を含んだボールを打つこと、雨などによる『乾燥に非常に弱い』。
代表的なストリング ・NATURAL GUT 16(ウィルソン) ・VS チーム125(バボラ)
伸縮性の変化の目安(賞味期限-おいしい期間)
・マルチフィラメント→1か月
・モノフィラメント→1か月
・ポリ系→1週間
・ナチュラルストリング→3か月
伸縮性が失われてきていることを感じる時間の目安です。おいしい期間です。
※頻度やプレイスタイルなどにより、個人差があります。あくまで目安です。
伸縮性としての機能(消費期限-おいしくない)
・マルチフィラメント→3か月
・モノフィラメント→3ヶ月
・ポリ系→1か月
・ナチュラルストリング→半年
伸縮性が保てなくなる時間の目安です。
切れなくても、この辺りで張り替えていただくことが、理想です。
特にポリエステルは1か月以上の使用はオススメしません。
ガットは動かなくなり、ボールは更に飛ばなくなるが、テンションは緩む。
肘や肩にものすごい、負担がかかります。最悪の状態です。とても健康とはいえません。
テンション基準
ナイロンストリング使用時
・『一般男性50〜52ポンド』
・『一般女性48〜50ポンド』
※ポリ系の場合は、マイナス3〜5ポンドあたりが目安。
この数値から力に自信のある方、飛びを抑えたい方はより高く力に自信のない方、楽にボールを飛ばしたい方はより低く
ゲージの特徴
ストリングにはゲージ(太さ、細さ)があります。それぞれのストリングには決まった範囲でのゲージがあります。ナイロンの1.30mmが「標準の太さ」となっています。
基本的に、細めのストリングと太めのストリングの特徴は次の通りです。
細めのストリング
・打感はクリアでシャープ。
・高反発。
・スピン性が高い。
・耐久性が無く切れやすい。
太めのストリング
・コントロール性が高い
・打感は鈍い。
・耐久性は高い。

合わせて読みたい
ストリングの知識 番外編
・モノマルチ・ポリマルチ・ハイブリッドとは?
https://blp-blog.com/string02/
人気のストリング インプレ
モノフィラメント
・アスタリスタ(TOALSON)1.30mm
https://blp-blog.com/string-impression4/
・シンガットフォース(Babolat)1.30mm
https://blp-blog.com/string-impression5/
マルチフィラメント
・バイオロジック・ワイヤー(TOALSON)1.25mm
https://blp-blog.com/string07/
・エックスワン・バイフェーズ(Tecnifibre)1.30mm
https://blp-blog.com/string-impression7/
ポリ系
・ポリツアーレブ(YONEX)1.25mm
https://blp-blog.com/string-impression14/
・ハイパーG(SOLINCO)1.15mm
https://blp-blog.com/string-impression9/
さいごに
それぞれのストリングの特徴を知り、正しい知識の上で、気になるストリングを選んでいただくことが『より良いテニスライフ』を過ごしていただくために大事なことだと思います。
道具ひとつ一つをご自身で選ぶことが、テニスの楽しみであってほしい!!
そう心から思います!!
記事 井上 馨