初心者の方も安心/分かりやすい硬式テニスラケットの正しい選び方

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こんにちは。いのうえです。
現代のテニスラケットはテクノロジーの発展によって、コントロール性(面の安定性)、反発性、衝撃吸収性、スイートスポイットの拡大など、より多様性に長け、大きな成長を遂げています。

その中でも、数多くあるテニスラケットの中から自分に合ったラケットは必ず存在すると思います。
そのためには正しい知識の上で、選んでいく必要があります。

本記事の問題解決

・ラケットの種類が多すぎて、どう選べばいいか分からない。
・初心者の方や初級者の方は、どんなラケットを選べばいい?
・試打をするべき?

こんな疑問にお答えします。

✅本記事の信頼性

19歳からテニスコーチをはじめ、デ杯[男子国別対抗戦]直前に実施される男子日本代表合宿に、過去数度参加経験のあるコーチから学んだスキルや技術を生かし、数多くのレッスンを担当経験。
担当していたお客様がラケットを変えただけで、大きな成長を遂げた経験から道具の知識を取得するため、25歳からテニス専門店で道具を学び、一人一人お客様に合った商品を提供。

❶ラケットを選ぶ時、まずは優先したいこと!

しっかりとした正しい知識の上で
 好みのデザイン(好みの色)をしたラケットを選んで欲しい』

「そこが大事なの!?」
と思うかもしれませんが、好みのデザインで選ぶか選ばないかではその後のテニスライフに大きく影響します。
なぜかというと、テニスというスポーツは『ミスをするスポーツ』です。
逆に言えば、『いかにミスを減らすかが上達のカギ』になります。
それがテニスの面白い部分の一つです。
それには技術的な要素はもちろんですが『メンタル面』の要素がより大きく関わってきます。

技術的な要素が高くても『緊張した場面』では平常心でいる時と同じようにプレイすることはトッププロでも難しいものです。
テニスにとって『メンタル面』は技術面よりも大事なものといってもいいです。
なので、好みのデザインであるラケットを使っているか使っていないかで『メンタル面気分』は大きく変わります。
好みのデザイン重視ではなく、性能のみを重視したらどうなるでしょうか。

例えば
女性でいえば、洋服を選ぶ際に生地や丈の長さや大きさは最適だけど、色やデザインが気に入らなかったら、どうでしょうか?
男性でいえば、好きでもないデザインの車を乗って気分は良くなるでしょうか?
好きでもないデザインのラケットを使用して本当に楽しいと思いながらプレイできるでしょうか?

もちろん、ラケットの『性能』はとても大事です。
初心者の方には、フレームが薄く、面が小さくて重いラケットは適しているとは言えません。
※フレーム、面、重さについては❷でご説明します。

デザインを重視したいからこそ


正しい知識の上でラケットを選んでいく必要があります

❷ラケットの事を知って、自分にあったモデルを探そう

これに関しては、以下の5つの手順で進めていきます。

その1 ラケットフェース面の大きさ

その2 ラケットフレームの厚さ

その3 グリップの太さ、形

その4 ラケットの重さ

その5 ストリングパターン

こちらの5つの要素に分けてご説明していきます。

その1 ラケットフェース面のサイズ

ラケットにはフェース面(ボールを打つ場所)があります。
フレームで囲まれた、ガット部分を面積表記してあります。
約85~135平方インチまで様々なサイズのフェース面があります。

基準としては『100 平方インチ』が標準です。
100 平方インチ』より数字が高ければ大きめの面サイズ。
低ければ小さめの面サイズとお考えください。


✅ スイートスポット (スイートエリア)


ボールを打った時に体に負担のかからない快心のショットを打つことができる場所があります。
その場所を『スイートスポット (スイートエリア)』といいます。


✅ 大きめの面サイズのメリットとデメリット

メリット
・スイートスポットは大きくなる(少しアジャストしても飛んでくれる)
・ボールをとらえやすくなる。
・反発性(玉離れが速い)が高く、ボールの飛びが良くなる。

デメリット
・ラケットの空気抵抗が大きく、振り抜きが悪く感じる。
・威力のある強いボールに対しての対応が難しくなる。

✅ 小さめの面サイズのメリットとデメリット

メリット
・コントロール性(ボールとラケットの接触時間が長く感じる)が良くなる。
・打球感はシャープになる。
・空気抵抗が少なく、振り抜きが良くなる。

デメリット
・スイートスポットが小さくなる。(少しアジャストすると飛びにくくなる)
・反発力は少なく、ボールは飛びにくくなる。

初心者の方やあまり高いレベルを求めていない方には『面の大きめのラケット
競技目的でより上級者の方は『面の小さめのラケット』が向いていると言えます。

その2 ラケットフレームの厚さ

ラケットフレーム」は各モデルで厚みが違います。

フレームがより厚みがある方が
ラケットにパワー(硬い)がある
反発力がある
球離れが速い
よく飛ぶ

フレームがより薄い方は
ラケットが柔らかくしなる
・飛びを抑えれる
コントロール力が増す

✅ラケットフレームの厚みの基準

17~21mm→薄い
22~26mm→中間
26~30mm→厚い

ラケットフレームには基本的に2種類の形状があります。

✅ ボックス形状

『基本的にフレームは薄くなります。』

・断面が四角いものです。
・ボールを打った感覚がしっかり分かる
・飛びは抑えられる
・コントロール性能に優れている。

✅ ラウンド形状

『基本的にフレームは厚めになります。』

・丸っこくなっています。
・しなりが少ない
・ボールの接触から球離れの反応が速い
・反発パワーが大きい傾向にある。

その3 グリップの太さ、形

グリップにはそれぞれ太さがあります。
それに加え、メーカーにより元のグリップ(オーバーグリップを巻いていない状態のグリップ)の形が異なります。

太さに関して数字で表しています。
基本的に1~3までのグリップサイズになります。

高い数字になればグリップが太くなります。

グリップ1→細い
『グリップ2→標準』
『グリップ3→太い

という感じです。
このサイズというのは「元グリップ」と言われる始めからついているグリップの太さです。

その上に「オーバーグリップ」を別途ご購入して、それを巻いてからプレイして下さい。
※稀に「元グリップ」を外してしまう方がいらっしゃいますので、それは良くありません。注意して下さい。


この「オーバーグリップ」には太さ(厚み)や色、素材がそれぞれ違うものがあるのでグリップの太さの微調整、手触りや感覚はこの「オーバーグリップ」でお好みのタイプにすることが出来ます。

「オーバーグリップ」を巻いた上でのご自身のサイズの目安としてグリップを握った時に、薬指の指先と親指の付け根のふくらんだ部分との距離が8mm程度というのが基本的なサイズ選択の基準になります!!

その4 ラケットの重さ

ラケットフレームの重さは多くの種類があります。

✅ラケットの重さの目安

男性のラケットの重さは、フレームのみで『300g』が標準です。
女性のラケットの重さは、フレームのみで『270〜280g』が標準です。

これは初心者の方が選ぶ際の基準にもなります。
この目安より
低ければ『軽いラケット』 
高ければ『重いラケット』と定義し、それぞれの特徴は次の通りです。

✅ 軽いラケット
重心をヘッドよりにしているものが多い。
(トップヘビーといいます)

合っている方の特徴
・スイングスピードを上がる。(スイングできればスピンがかかりやすい)
・自分の力に合っている。(非力な女性や子供)

合っていない方の特徴
・ラケットの重みが使えず、ボールが飛んでいかない。
・打ち負ける


✅ 重いラケット 
振り抜きやすいように重心をグリップエンドよりにしているものが多い。
(トップライトといいます)

合っている方の特徴
・重みを使ってボールを飛ばせる。(遠心力)
・より強くボールを捕らえている(パワー、回転力、ボールコントロール力)

・打ち負けない

合っていない方の特徴
・振り遅れる
・疲れてしまう(怪我につながる可能性)

あくまでも年齢や体格、スポーツ経験者、テニスのプレイスタイルで変わってきますが、基本的には上記の重さが『標準』として考えてください。

✅ ラケットの『バランスポイント』

ラケットの『重さ』の表記だけでは実際にプレイした時(スイングした時)に重いのか軽いのか判断しにくいです。
なぜかというと、ラケットにはそれぞれの『バランスポイント』というものがあるからです。


バランスポイントとは

グリップエンドから重心位置までの距離を表す数値数値が高いほど、重心位置がグリップエンドから遠い

グリップ側が重ければ重心位置はグリップ側に寄るため、バランスポイントの数値は小さくなります。

例(表記310mm→グリップ側が重い→トップライト)

グリップ側が軽ければ重心位置はトップ側に寄るので、バランスポイントの数値は大きくなる。
例(表記330mm→グリップ側が軽い→トップヘビー)


ここで、よく勘違いをしてしまうのは数値が高いからと言って、
フェース部分の重さには、そこまでの違いはない』ということです。

初心者の方はラケットの重さだけにフォーカスしないで『バランスポイント』という、重さの位置があることを理解しておきましょう。

✅ スイングウェイト

『スイングウェイト』とは?

・スイングウェイト=慣性モーメント。
・ラケットを振った時(動作時)に体感するラケットの重さを数値化したもの。
・機械で数値化し計ることができます。
・簡単に、トップ側(ヘッド側)が重いとスイングウェイトは重くなる。
・平均値280~290kg・㎠。
・全く同じモデルでもスイングウェイトは変わってしまう。
・現在、プリンスのラケットのみ表記あり。

スイングウェイトの数値化の必要性の一つとして
例えば、2本の同じモデルのラケットを使用していると、その2本ともが全く同じスイングウェイトとは限らないので、そこに違和感を抱く方は少なくないと思います。

そこで活躍するのが『スイングウェイトの数値化』です。
数値として出ることで2本のラケットをより近いものに『カスタム』することが可能になるということです。

スイングウェイトはラケットの性能を知るための参考データの一つとして考えるべきです。
しかし、あくまで目安の範囲で考えることオススメします。
『バランスポイント』と同様に『スウィングウエイト』という数値化したものがあるということを理解しておくことが大事です

必要性のもう一つとして注意したいのは
ラケットの重さ、バランスポイントは『静止時』の重さになります。
スイングウェイトは『動作時』の重さになるため
ラケットの重さが少し軽くても、スイングウェイトが重いということもあります。
なので、ラケットを実際にスイングしてみるということは、とても大事になります。
それを解消できるのは『試打』です。
ご自身で試して体感をして判断することオススメします。

※試打をする際には、注意が必要です。『❸試打について』でご説明します。

その5 ストリングパターン

ストリングパターンというガットの縦糸横糸の本数も表記されています。

標準的なストリングパターンは16×19(縦糸本数×横糸本数)です。

・糸数が多くなればコントロール重視(飛びを抑える)
・糸数が少なくなればスピン性能と飛びの良さが上がる。

例として
16×16→耐久性は低くなるが、回転がかかりやすく、飛びがよくなります。
18×20→飛びと回転力は落ちるが、コントロールはしやすくなります。

補足として、ガットを張り上げた際は『縦糸』のフィーリングが強くでることも頭の中入れておきましょう。

❸ 試打について

試打は車で例えると、『レンタカー』です。
走行距離も全く分からない、誰がどんな風に使用しいるかもわからないラケットを試打しても、そのラケットで大事な部分を感じることは難しいと言えます。
張り上げているガットの特性を出さないために、あえてレベルの低い特徴のないガットを張っていることも多いです。

そのため、何本ものラケットを試打してしまうと、何がなんだか分からなくなる可能性があるので注意が必要です。
ですが、試打にもメリットはあります。

・デザイン性を確かめる
・プレイした時の重さや振り抜き(※スイングウェイトの確認)
・グリップの感触
・打感ほんの少しだけ

試打は、あくまでも「レンタカー」なので『打球感』は雰囲気程度です。
試打をする際は、『ガットを張り替えて』試打をすることをおすすめします!!

最後に

ラケット選びの手順としてまずは『好みのデザイン』からで選んで欲しいです。
その後、そのラケットがご自身のレベルに本当に合ったものなのか、しっかりとした正しい知識の上で(専門の方としっかりとコミニケーションをとるのが一番)、選んでいきましょう!!
※『好みのデザイン』のみで選ぶことは危険なのでやめてください。

テニスは道具ありきです。
上達するかしないかは道具で決まるといっても過言ではありません!

⭐️合わせて読みたい

ストリングの正しい選び方

〜基本知識〜 ストリングとは?どう選べば良いのか。
https://blp-blog.com/tennis03/

人気のストリング インプレ

モノフィラメント

・アスタリスタ(TOALSON)1.30mm
https://blp-blog.com/string-impression4/
・シンガットフォース(Babolat)1.30mm
https://blp-blog.com/string-impression5/

マルチフィラメント

・バイオロジック・ワイヤー(TOALSON)1.25mm
https://blp-blog.com/string07/
・エックスワン・バイフェーズ(Tecnifibre)1.30mm
https://blp-blog.com/string-impression7/

ポリ系

・ポリツアーレブ(YONEX)1.25mm
https://blp-blog.com/string-impression14/
・ハイパーG(SOLINCO)1.15mm
https://blp-blog.com/string-impression9/

記事:井上 馨

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